海外遺伝資源を取得する際には、提供国の国内法を遵守し、提供国と利用者間での「情報に基づく事前の同意(PIC)」を得ること、並びに提供国と利用者間で「相互に同意する条件(MAT)」を設定し、利益配分を行うABS指針に基づいた手続きが必要です。

※PIC:Prior Informed Consent,  ※MAT:Mutually Agreed Terms

海外の遺伝資源を使用するときは注意が必要です。

適正な手続きをしなかった場合、提供国で逮捕研究の差止め研究費申請が受理されない発表論文が承認されないなどの可能性があります。

 

ABSとは?

ABSとは、遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分(Access and Benefit-Sharing)のことです。

生物の多様性の保全を目指す国際条約である生物多様性条約は、(1)生物多様性の保全、(2)生物多様性の持続可能な利用、(3)遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分 の3つを目的として掲げています。

条約ではさらに「各国の遺伝資源はその国が権利を持ち、その利用(Access)には政府の許可が必要であること」が定められており、目的(3)の「遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分(Benefit-Sharing)」と合わせてABSと呼んでいます。

ABSでは各国の遺伝資源を、(1)国が権利を持つ資源として扱うこと、(2)利用にはその国の許可が必要であること、(3)利益が生じた場合は両国で公正に配分することとして取り扱っています。               

ABSの実効性を高めるために決められた国際ルールが名古屋議定書であり、日本は平成29年8月20日に名古屋議定書の締結国となり、生物多様性条約に対して、従来に比べてより一層注意が必要となりました。

海外からの遺伝資源(植物・動物・微生物)などを研究で利用したり、持ち出したりする場合は、これに先立ち提供国の法令などを確認し、ABSの手続を行う必要があります。

 

遺伝資源とは?

生物多様性条約では、遺伝資源は「遺伝の機能的な単位を有する植物、動物、微生物、その他に由来する素材で価値のあるもの」と定義されています。

ABSの対象になる遺伝資源

・動物、植物、微生物(ウイルスを含む)の個体やその一部(生死に関わらず、凍結や乾燥したサンプルも含む)

・遺伝資源の利用についての伝統的知識(薬草の効果など)

ABSの対象にならない遺伝資源

・遺伝子配列情報(配列情報を対象とする国内法を持つ国もある)

・人工合成されたDNA/RNA

・公海の海洋生物

・ヒト(人類)の遺伝資源(腸内細菌や寄生性・感染性の生物などはABSの対象)

・生物多様性条約発効(平成5年12月28日)より前に入手した遺伝資源

利益の配分とは?

ABSの対象となる利益の配分には、「金銭的な利益を生じない基礎研究は関係ない」と思われるかもしれませんが、利益の配分は金銭的な利益だけではなく、基礎研究もABSの対象となります。

基礎研究では、共著論文の発表技術の移転教育の機会の提供といった非金銭的な方法により利益配分を行います。

また、ABSの仕組みにより、研究の推進だけではなく、非金銭的利益の還元によって、提供国の科学・教育レベルの向上、地域の発展にも貢献することにもつながります。

 

(学内限定)鹿児島大学のABS指針に対する学内体制について(作成中)

鹿児島大学におけるABS指針対応に関するガイドライン
鹿児島大学ABS推進室要項

・様式1:海外遺伝資源取得事前申請書

・様式2:海外遺伝資源持込み報告書

・様式3:海外遺伝資源の利用に関する情報に係る報告書

 

参照リンク

環境省サイト

ABS国際クリアリングハウス

生物多様性条約サイト

国立遺伝学研究所ABS学術対策チーム

バイオインダストリー協会 生物資源総合研究所

NITEのABSサイト

 

 事務局:研究推進部社会連携課知的財産係

電話 099-285-3878(内線3878)

E-mail tizai(*)kuas.kagoshima-u.ac.jp

(メール送信の際は(*)を@に変更してください)

 

 

 

 

 

サイト内検索