鹿児島湾は,黒潮が流入する最大水深240m以上を有する深海性の内湾である。沿岸漁業だけでなく,海面養殖漁業が盛んであり,海洋シミュレーションモデルを用いた三次元海況予報の研究が始まっ図2-2-7 水産学部食品生命科学実習工場た。しかし予報精度向上のためには,実測値による補正(海面広域,鉛直方向)が必要である。水産学部附属練習船南星丸では,2002 年の運行開始から洋上で観測された海洋観測データを収集してきた。しかしこのシステムは,外部との通信機能を持たず,リアルタイムでリモートでの海洋観測データを利用できないという課題があった。そこで産学・地域共創センターでは,2021 年よりオープン実証ラボの一つとして,南星丸を「海洋ビッグデータ構築実証ラボ」と位置づけ,船内観測装置で収集された海洋データを定期的に本学理工学研究科のデータサーバに転送し,鹿児島湾(鹿児島湾洋上実証フィールド)の流れを三次元で表現し,水産業で活用することができる海洋ビッグデータ活用事業を開始した。

サイト内検索