研究代表者

農学部 教授・後藤貴文

地域課題及び目的

研究の背景・地域課題

鹿児島県志布志市における地域の人口の減少や、高齢化による農業人口の減少により農地荒廃は深刻な問題である。農地の新しい活用と地域での新しい産業の構築は、地域振興の大きな課題である。

目的

耕作放棄地等の未利用地を活用した牛肉生産ビジネスモデルを目指すため、耕作放棄地や地域の未利用資源を用いた肥育したときの肉質評価および耕作放棄地を活用した肉牛の管理におけるIT技術の活用法の探索を目的とする。

研究の方法

志布志市では、今後も耕作放棄地は、増加の一途をたどることが想定され、それらの土地を畜産、特に、放牧を中心とした牛肉生産に活用する。そのために我々が開発している新しい生物科学を基盤とした代謝プログラミングによる放牧肥育技術やIoT技術を活用した遠隔自動給餌、測位システム等の先端技術を導入し、低コストでの良質肉を生産する未来型の新たな畜産ビジネスモデルを構築する(研究費の材料費及び旅費)。そのビジネスモデルにより人材育成することで、全国の過疎地や中山間地域の活性化のために活躍する若手を育成する(リーフレット等印刷費)。それにより日本農業全体の活性化を株式会社さかうえとともに構築する。

本年度の研究成果

本年度は、農業生産法人さかうえと連携し、実際の休耕地を放牧地とし、黒毛和牛放牧牛を対象に提案システムの有効性検証試験を実施した。①これまでの観測衛星データを用いた放牧地の放牧牛採食での草量変化、土壌変化(土壌微生物や土壌栄養等)や放牧地と放牧牛採食の関係性評価について解析、②測位衛星データと身体データを利用した放牧牛の行動履歴や運動量、体調の変化の把握と評価)(南阿蘇の牧野等の調査データも用いた。)、③将来的に①と②のデータを統合し、地上でのリアルタイム画像解析及び通信機能やデータ分析機能を含めた自動飼養システムの設計と実際の放牧地・放牧牛による有効性検証した。

文部科学省プロジェクト等とのコラボレーションで実施した概要図

今後の展開

今後も、実際の畜産経営に用いるには実証的な試験を遂行していく必要がある。社会実装化を目指して、外部資金を獲得しながら推進する計画である。

サイト内検索