研究代表者

農学部 講師 加治屋勝子

地域課題および目的

研究の背景・地域課題:桜島大根は、ギネス認定された世界一大きな大根で、200年以上の歴史を持つ鹿児島を代表する伝統野菜である。しかし、生産者の高齢化及び担い手不足によりその生産量は最盛期の10分の一にまで激減し、存続の危機に晒され、この回避策について強いニーズがある。時を同じくして、申請者らは桜島大根に血管機能向上成分トリゴネリンが豊富に含まれることを発見し、その分子メカニズムの解明は世界の注目を集めた。

目的:代表者は、研究成果を論文上で終わらせることなく社会に還元したいと考えている。鹿児島県の血管病罹患率が高いことと考えあわせると、地元鹿児島から積極的な桜島大根の摂取に努め、全国ひいては世界へ健康食材「桜島大根」を広めたい。そこで本研究では、桜島大根のことを知ってもらい、食べる機会を増やすための取り組みをおこなう。

研究の方法

①桜島大根の生産者が、健康食材として誇りを持って生産できるよう、桜島大根部会等を通して情報共有の場を設ける(これまで3年連続で実施)。

②企業の強みを活かした新しい加工品開発へ取り組んでもらうため、桜島大根の調理・加工特性を周知する(これまで2年連続で実施)。

③桜島大根の生産過程や大きさを知ってもらうためのイベントを開催する(これまで2年連続で実施。昨年は鹿児島大学に後援していただいた)。

2021年度の研究成果

■2021年12月12日に桜島だいこんメニュー開発支援セミナーを開催した。コロナ禍のため定員32名としたが、参加希望者が多く万全の対策をとって44名まで受け入れた。セミナーは、桜島大根の健康機能成分であるトリゴネリンの紹介をおこなった後、調理実習形式の講習会とし14種類の料理を作った。試食後に、参加者からの質問に答える形で桜島大根について説明した。

■協力企業である日本有機株式会社と鹿児島大学とで共同開発した桜島大根のサプリメントが完成し、1月より販売開始(下写真)。
■2022年1月29日から2月23日まで桜島だいこんフェアを開催(鹿児島大学も後援)。オープニングイベントでは当研究会メンバーがトークショーを実施して桜島大根の研究成果と魅力を紹介。桜島大根コンテストは1月30日に開催。

サイト内検索