アグリビジネス創出フェア2020に出展
アグリビジネス創出フェアは、全国の産学の機関が有する、農林水産・食品分野などの最新の研究成果を展示やプレゼンテーションなどで分かりやすく紹介し、研究機関間や研究機関と事業者との連携を促す場として開催する「技術・交流展示会」です。
今年度は、スマート農林水産業~新しい生活様式とつながるアグリビジネス~というテーマが設けられ、本学から5件の研究シーズを出展しました。
「3次元形状復元に基づく草高推定・葉面積指数の自動計測技術」
理工学研究科(工学系)・工学専攻・情報・生体工学プログラム 准教授 鹿嶋 雅之
技術ジャンル
センシング・AI・ビッグデータ解析・ICT・IoTなど
出展内容
草高計測及び葉面積指数の推定を行うことで有効な作物成長度の取得を行います。草高計測では、距離データによる草高データマップから計測します。葉面積指数は、 3次元復元から得た総葉面積に基づき推定を行います。提案手法による測定値と実測値と比較実験から、草高計測値、葉面積指数推定値ともに高精度で得られることが実証できました。
商品化・事業化のイメージ
本研究で提案するシステムは、Depthカメラを用いた簡便な装置で、圃場における農業生産物の育成状況の把握に重要な草高・葉面積指数を非接触・高精度で行うことができます。草高や葉面積指数はAIにより自動で行われるため、スマート農業の実現に利用できます。
技術ジャンル
センシング・AI・ビッグデータ解析・ICT・IoTなど
出展内容
安心・安全な牛肉の生産パッケージング技術を、先端生物科学、IoTや衛星データを用いて開発します。新しい生物科学概念「代謝プログラミング」研究をシーズとして、牛の代謝を制御し、飼料耕作放棄地や未利用地等の日本の豊富な植物資源を放牧により高度活用します。また放牧管理には、先端IoTやJAXAと協力して衛星データを用います。
商品化・事業化のイメージ
代謝プログラミング技術、IT遠隔自動給餌機等、そこからできる和牛牧草牛、それぞれの商品をイメージ。さらに、これらをパッケージングしたシステムをコンサルティングとしてサービスする商品をイメージしている。
技術ジャンル
生産・加工・利用・分析技術・流通
出展内容
かごしま黒豚とは、鹿児島県で出生したバークシャー種にサツマイモを10%以上含む飼料を出荷前に60日以上与えて仕上げた銘柄豚です。普通の豚肉と比較して,かごしま黒豚肉にはうま味アミノ酸(グルタミン酸)や甘味アミノ酸(トレオニンやアラニン)が非常に多く含まれていて,食感の評価が高いことが科学的に証明されています。
商品化・事業化のイメージ
かごしま黒豚は,地域が一体となって銘柄商品化・事業化を進めてきた長い歴史をもち,銘柄豚の中で最も高い評価を受けるなど大きな成功を収めています。一方で競争が激化する豚肉市場で今後も頂点に留まるとともに,輸出拡大を図るためには,かごしま黒豚のさらなるブランド力の向上が必要です。
省力化農業研究:サツマイモ植付の完全自動化技術と教育の融合『薩摩熱徒』
農学部・農業生産科学科・応用植物科学 准教授 下田代 智英
技術ジャンル
生産・育種・収穫・伐採・漁獲・屠畜・搾乳・採卵
出展内容
サツマイモ栽培の省力化の最大の課題であった挿苗作業の完全自動化を可能にする節苗を用いた栽培技術です.サツマイモ植え付け作業では慣行苗の形状が不ぞろいなため,農機にセットする作業が自動化できませんでした.そこで,葉を切除した短い節苗を用いる機械化しやすい栽培技術を開発しました.
商品化・事業化のイメージ
GPSや認識システムの発展により,小型農機の圃場内の自動運転はすでに技術的には可能になっています.節苗の挿苗システムが開発できれば,節苗栽培法によるサツマイモの無人移植ロボット農機のプロトタイプが完成します.
技術ジャンル
加工・利用・分析技術・流通・土壌・肥料・水管理・生産・健康長寿社会の実現
出展内容
下水処理水を水耕栽培の養液として用い、軽石などの礫を根の支持体にすることでカリウム低減作物を栽培できます。水域に放流する直前の水を潤沢に使用でき、液肥代がかからない省エネ、省コストの栽培法です。礫を根の支持体に使うことで、根菜類や果樹類も栽培可能で、腎臓病患者に負担をかけないカリウム低減作物をつくることができます。
商品化・事業化のイメージ
想定される用途:食材としての多種多様なカリウム低減作物の製造、カリウム低減作物を原料とした加工食品の開発・製造。 応用分野:下水処理場近辺の未利用土地の緑化。機能性成分を含む作物、薬草の栽培。