メンバー

農学部 教授・志水勝好(代表者 )

地域課題および目的

〜本プロジェクトでは以下の2つのテーマについて取り組む。

サトウキビの塩害発生について作用機作解明を目指す。

学内圃場でサトウキビ塩害の再現させるともに回避技術の評価をおこなう。

研究の概要

奄美大島および島嶼部で塩害を受けたサトウキビ植物体を採取し、光学顕微鏡、X線解析顕微鏡,走査電子顕微鏡での観察によって塩害発生の作用機作を検討する。また、現地の協力を得て塩害を受けたサンプルを送ってもらうことにより、より大量のサンプルを検討する。

学内圃場においてポット栽培しているサトウキビを用いて塩害の再現を試みるとともに回避技術の検討する。

以上を基に現地圃場にて回避技術試験を行い,検討する.

期待される成果

奄美大島および島嶼部の基幹作物であるサトウキビは恒常的に塩害による被害を受けており突発的に発生する台風被害とともに経済的な打撃は非常に大きい。

塩害による被害を回避あるいは軽減することは奄美大島および島嶼部の農業振興に寄与することが出来る。

2020年度の成果

昨年夏季に農学部ガラスハウス室内および屋外で,塩害を再現するため塩害(潮風害)が塩によるものか,それとも風によるものなのか,塩水処理区(海水をサトウキビに噴霧する区),風処理区(大型換気扇の前に植物体を置く区)の2区を設け,栽培実験を行った.その結果,塩水処理区のサトウキビの生育に影響が見られず,風処理区において生育が抑制された.このことから奄美大島の塩害は風害の可能性が高くなった.
1月23日に写真の様に奄美大島笠利地区の富国製糖(株)中山氏管理下のサトウキビ圃場に防風フェンスを敷設し,3月頃の北風による塩害に対する防止効果を検証する実験を開始した.昨年度は透明ビニルにより試験したが,強風により倒壊したため,今年は防風ネットにより試みることとした.しかしながら,防風ネットでは風の勢いは緩和するものの遮断はできず,できれば北風を遮断すべきなのでビニルにより行いたいが,写真のように杭を打ってのフェンスでは強度をこれ以上上げることができず,このフェンスをいかにするかが課題である.

 

今後の展開

来年度にドローンにより定期的に圃場の定点観察を行い,圃場のどこから塩害の発生してきているか,どこに発生しているかを分析し,効果的な防風フェンスの配置を検討する.その際ドローンによる写真の画像解析による塩害程度の評価ができるような技術開発を行う.また,本年度の結果により防風フェンスによる冬期塩害防止のためのフェンスの防風程度による効果を検証し,効果的な防風度合を明らかにしていく.

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