メンバー

農学部 教授・後藤貴文(代表者 )

共同獣医学部 准教授・乙丸孝之助

地域課題および目的

〜本プロジェクトでは以下の2つのテーマについて取り組む。
① 耕作放棄地等の未利用地を活用した牛肉生産ビジネスモデルを目指す。
② 耕作放棄地や地域の未利用資源を用いた肥育したときの肉質評価を行う。

研究の概要

鹿児島には多くの耕作放棄地があり、この土地を活用した畜産ビジネスを目指している。本研究は、農林畜産部会の後藤と乙丸で、牛への地域の未利用資源等の飼料としての給与により、どのような肉質になるのか等の検討を支援すること、また、ビジネスとしてのモデルを構築することを支援し、地域産業の活性化を図る。

期待される成果

地域の人口の減少や、高齢化による農業人口の減少による、農地荒廃は深刻な問題である。農地の新しい活用と地域での新しい産業の構築は、地域振興の大きなテーマである。牛は、草食動物であり、また生産される牛肉は、高価な価格で取引される。荒廃した農地の草を活用して、また地域の未利用資源などを活用して、高品質な牛肉が生産されることができれば、地域にマネーフローが起こり、また、景観も保全され、地域の再生や人口減少への歯止めになるかもしれない。本取り組みは大きな効果があるものと確信している。

2020年度の成果

・㈱さかうえと4月に3年間の共同研究契約を結び、耕作放棄地を活用した牛肉生産に着手した。開始当初10頭だった肉牛は、2021年2月現在、130頭を超え、20年9月には「さかうえの牧草牛」として商品化。既にネット販売等がスタートしている。
・さかうえが借り上げている志布志の耕作放棄地は狭小地が点在するため、数頭ずつの牛が数十か所に放牧されている。牛舎の建築は不要だが、現在、周回して給餌するなどの手間がかかるため、遠隔操作による自動給餌等のシステム開発が今後必要となる。
・飼料はさかうえが生産していたトウモロコシのサイレージ飼料と放牧地の牧草を利用。完全循環型の黒毛和牛生産システムを目指している。また放牧地が点在することで、通常の放牧よりさらに飼養・生産管理の難易度はさらに増すため、IOTの活用は不可欠となる。本研究会では㈱さかうえと共に様々な助成制度に応募し、下記3事業に採択された。

今後の展開

・採択プログラムは、未利用地・未利用資源を活用した牛肉生産モデルの構築と肥育牛の肉質評価を目的とする。事業展開により胎児期・新生児期の栄養管理によって肉質を制御する「代謝プログラミング」による肉質・肉量の向上、衛星データと身体データによる放牧牛の体調・給餌管理、放牧地の草量・土壌測定等のシステム構築を推進する。

・健康的な赤みの黒毛和牛の市場拡大にも、㈱さかうえとトライし、地域の新たな産業づくりを目指す。耕作放棄地の活用と自動飼養システムの構築により、省力化・低コストの牛肉生産を実現したい。

活動実績

・アグリビジネス創出フェア2020出展

アグリビジネス創出フェア2019出展

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